グッドマザー?バッドマザー?? 母親を苦しめる産後の神話

どれほど“グッド・マザー”でありたいと思っても、日々の子育ての体験や子どもにまつわる困難な場面を考えると、今自分はそうではないし、これからも決してそうなれないことを私たちは知っています

ジェーン・スウィガート著「バッド・マザーの神話」(誠心書房、1995年)

多くの人が、子どもを産めば自然に母親になれると信じています(母性神話)。

そして、母親になれば年中無休・24時間体制で、子どもの世話をすることが当然だと思っている人も少なくないのが現状です。

子育てが始まる産後、それから数か月は、妊娠・出産による体へのダメージが出て、筋力は高齢者程度まで低下しています。

さらに、頭痛や肩こり、腰痛、けんしょう炎などさまざまな痛みも出やすいのです。

しかし、多くの母親は「子どもファースト」で自分のことは後回しにしがちです。

それだけでなく、痛みやつらさで子どもの世話に支障が出ていることで自己嫌悪に陥ったり、それを口に出すと『ダメな母親』だと認めてしまうようで相談できない、といった苦しみを抱く人が少なくありません。

自分を「悪い母親」と思い悩んでいる人のほとんどは、子育てをがんばっている人です。
ちなみに「バッド・ファーザーの神話」という言葉もあります。


がんばっている母親、父親がもっと伸び伸びと自分らしく子育てできるよう、社会全体で支援しませんか?

お話を伺った人
佐賀大学教育研究院医学域医学系
母性看護・助産学領域
教授 佐藤珠美 先生

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